Blut unt Weiß

伊藤計劃に感化された一連の文章の群れ。日記、少年マンガを中心とするオタク趣味の感想および世界を変えるための文章が置かれる。御口に合いますれば幸い

人間の素晴らしさについて

 人工知能の進歩などによって、近年、人間固有の価値とは何か、人間の素晴らしさとはなにかが問われている。いや、それは昔から問われているか。それを問うことそのものが人間の価値の一つなのだろう。

 

 さっき思いついたその一つの答えをここに記す。それなりの良さを感じたからだ。

 

 「人間の固有の価値、意義、能力とは、虚構をそれと知りながら信じることができる能力のことだ。」

 

 この世に神はいない。宇宙を創りたもう造物主については知らんが、人間が祈るに足る、救いの神はいない。これは真実といっていいと思う。

 この世にヒーローはいない。英雄はいない。愛も正義もない。常識だろう?

 

 だが、わたしはそれを知識として、常識として知りながら、知ったうえで、それを信じることができる。信じていなければできない行為を重ねる。信じていることを前提にして生きる。信じているとみなされるようにふるまう。断固として。

 わたしを救う神はいない。だが、わたしは神を信じる。ヒーローはいない。この世に救いも正義も愛も存在しない。

 だが、わたしはそれを信じて行為する。あり得ないものをあるものとして、それの存在を自明の前提として行為する。

 そうする理由はもろもろあるが、ここでは述べない。その理由すら虚構だから。

 だが、ヒントは残そう、「行為が先、物語は後、だ」それが理由だ。

 意識とは後付けの物語だ。物語とは虚構だ。だが、それはある。ないものがある。それが生きるということ、ではないか?

 

 よくわからなければ貨幣のことを考えろ。サンタクロースでもよい。どちらでも同じことだ。わかりやすい方で考えろ。

 

 

 わかりにくく、また役にも立たない話ですまない。おわり。