おはよう、死柄木弔
ジャンプのっていうか、ヒーローアカデミアの感想を書く。
先週から、いや、初登場から俺は君に期待していた!死柄木弔!だが、その期待はこれからの君に対する期待の仕方ではなかった。今日までは君に、「無差別型の悪意」を期待していた。存在自体が災害、カオスと破壊、暴力と理不尽の申し子としての悪。漫画版バトルロワイヤルの桐山和雄のような悪を、君に期待していた。ゆえに俺は君に「先生」や黒霧が期待するような「成長」を求めていなかった。君はそのままでいい、外野は余計なことをするんじゃぁない、弔のやりたいようにやらせてやれ、それがまさしく悪の顕現となるだろう、と、そう思っていた。信念型の悪はすでにステインがいる。彼の焼き直しなどいらない。彼はすでに一つの極地を極めた。いまさら二番煎じなど格を落とすだけだ。そう思っていた。
「信念なき殺意に何の意義がある!?」
ステインはそういった。俺はステインのシンパでもあるから、この言葉に深くうなずく。うなずくがしかし、今ははっきりこう言おう。
「人を殺すのに理由がいるのか?」
殺意には存在それ自体に意義がある!いや、意義などという単語を超えた実存がそこにある!人は人を殺す!理由なく!理由なき殺意こそが本物だ!
しかし!まさか!なんということだ!!君が!信念を獲得するどころか!原点へ帰ろうとは!!信念型の悪の究極形、伊藤計劃いうところの世界精神(ヴォルトガイスト)型の悪へと回帰せしめるとは!!(もっとも、伊藤計劃の定義するところのそれとは微妙に違うのだが。わたしと悪の分類というか定義づけが異なる。しかしあまりにもよく似ているし、なにより世界精神(ヴォルトガイスト)という単語がかっこよすぎるので今後も積極的に流用していく。)
「今日からこれを「信念」と呼ぼう」
おはよう、死柄木弔。君は今日から君が本来そうであった姿へと回帰した。
道徳を焼き尽くせ!平和を踏みにじれ!そんなものがただの虚構、ごっこ遊びにすらならぬバッドジョークに過ぎないことを世界へ証明して見せろ!!
世界を、世界観を暴け!
概念を破壊しろ!!
それが、それこそが!
俺が君に期待する未来(これから)だ!!
究極の悪の顕現だ!!
君にはその才能が!
その力が!
何より理由が!
あるんだろう!?
オールマイトが赦せないんだろう!?
お前を救えなかった能無しが!それでもヘラヘラ笑う顔が!
それを崇める世界が!!
壊さずにはいられないんだろ!?
さぁ、ショウをはじめよう!!
信念と感情が一致したとき、それは運命になる。
俺は、君を、待っていた。